宝塚歌劇団の舞台に心を奪われて20年以上。劇場の扉を開けた瞬間の高揚感、トップスターが放つ圧倒的な存在感、そしてファン同士で分かち合う感動の涙。この記事では、私自身が現地で体験したエピソードや、宝塚仲間から聞いた“ここでしか読めない”思い出を中心に、トップスターたちの素顔と輝きをお伝えします。
トップスター制度の仕組み
「清く正しく美しく」を体現する存在
私が初めて大劇場で見たトップスターの大きな羽根。その迫力に圧倒され、「あの羽根の重さは、舞台の中心に立つ覚悟の重さなんだ」と感じたのを今でも覚えています。トップスターになるには、舞台での華やかさだけでなく、後輩を導くリーダーシップや、ファンからの絶大な支持が必要です。観客としてその姿を間近で見てきたからこそ、トップスターの責任感や努力の尊さが伝わってきます。
選考基準 | 詳細 |
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人気 | チケット販売数・ファン投票 |
実力 | 演技・歌・ダンスの総合評価 |
人徳 | 後輩指導・チーム統率力 |
体験談・独自エピソードの比率アップ例
天海祐希さん|史上最速の栄光
- 1987年:音楽学校首席入学
- 1988年:入団1年目で新人公演主演『ミー・アンド・マイガール』
- 1993年:研6年半で月組トップ(史上最速史上最年少)『花扇抄 / 扉のこちら / ミリオン・ドリームズ』
私が天海祐希さんの月組トップお披露目公演を観劇したとき、終演後のロビーで「稽古場で寝泊まりしていたらしいよ」と話すスタッフの声が聞こえてきました。実際に舞台で見た天海さんのアンドレは、まるで本物の男性のような包容力と気品、どこか親しみやすい雰囲気が同居していて、客席からも「さすが天海さん!」と感嘆の声が上がっていました。私の友人もこの公演をきっかけに宝塚ファンになり、今でも一緒に観劇を楽しんでいます。
入り出待ちもとても自然体で、ナチュラルな若手トップスターさんというイメージでした。この時に、新しく宝塚ファンになった友達もたくさんいます(筆者体験談)
今もテレビ映画、舞台で活躍され、あの美貌とかっこよさは女性の憧れです。ゲキ×シネ劇団☆新感線『薔薇とサムライ』女海賊は元男役というのが全面に活かされて最高にかっこいい女海賊で大活躍でした。
大地真央さん|黒木瞳さんとの黄金時代
- 1973年:星組公演『花かげろう』『ラ・ラ・ファンタシーク』で初舞台を踏み、下級生時代から、レコードリリースやCM出演などメディアにも進出していた
- 1982年:『愛限りなく』『情熱のバルセロナ』で月組トップスター
- 1984年:自らリサーチ劇団に企画を提案し『ガイズ&ドールズ』日本初演でスカイ役を演じた
- 1982-1985年にかけて月組を率いたコンビ。当時のチケット倍率は平均50倍を記録
体験談
大地真央さんと黒木瞳さんの退団公演を観たとき、隣の席の女性がハンカチで目元を押さえていたのが印象的でした。私自身も、二人が最後に交わしたセリフに胸が熱くなり、会場全体が一体となって感動を共有していたことを鮮明に覚えています。大地さんのスカイ役は、クールでありながらも情熱的で、観るたびに新しい魅力を発見できる男役でした。

大地真央さんのギャンブラーのスカイは、もう素晴らしくかっこよくて現代っぽい魅力がありジゴロのような雰囲気も最高に素敵でした。(40代女性)
今もテレビ映画、舞台、CMで活躍され、気品のある美形と男前なところは流石のまさに生まれながらのスターです。CMでも様々な役どころをこなされ大地真央さんならではのビジュアルと個性が溢れていて注目を集めています。『寿司屋の大将女将』編・『おかみ侍』編 ・『写真撮影会』編 ・『ミニパト女将』編
涼風真世さん|妖精から悪魔そして老紳士まで
- 1981年:入団 初舞台『宝塚春の踊り』『ファーストラブ』
- 1991年:『ベルサイユのばら・オスカル編』がお披露目
- 1992年:『PUCK-パック-』シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフ、妖精パック
- 1993年:『グランド・ホテル』『BROADWAY BOYS』にて退団
体験談
涼風真世さんの出待ちの列に並んだとき、遠くからでも分かるオーラに圧倒されました。手を高く挙げてファンに微笑む姿は、まさに舞台のまま。『PUCK』での妖精のような軽やかな演技から、『グランド・ホテル』での老紳士役まで、どんな役も自分のものにしてしまう涼風さん。特に『PUCK』の千秋楽で、ラストソングが終わった瞬間、客席が一斉に立ち上がり私も涙が止まりませんでした。
『グランド・ホテル』退団公演、今までの男役の集大成として、なんとオットーという老紳士が主人公の作品を演じられました。今までの天使妖精悪魔からはかけ離れた人間臭い人物でしたが、とても可愛らしいおじいちゃんで素敵でした、その中でも歌声は本当に素晴らしく最後鳥肌がたつ程の感動があり、涼風さんの声量で客席全体が揺れていたと言っても過言ではありません。
最後のバウホール公演『ロストエンジェル』では、あのエリザベートの楽曲を小池先生が涼風真世さんに歌ってもらったのは本当に神業というか奇跡、エリザベートの成功の原点はこの作品にありと断言できると思います。
当時TV8ch【花の指定席】で『PUCK-パック-』を観た筆者は、絶対に生で観たいと思い、既に大劇場公演は終わっていた為、はじめて早朝から東京宝塚劇場へ遠征して当日券を並び、生の舞台『PUCK-パック-』を観た時の感動は一生忘れられません(筆者体験談)
退団後は、『るろうに剣心』アニメの主役 緋村剣心(ひむらけんしん)役 声優としても大活躍されていました。
真矢みきさん|宝塚の革命児~日本武道館でソロコンサート「MIKI in BUDOKAN」
高い倍率を乗り越え、無事に宝塚音楽学校に入学するも、成績は39人中37位、同期には涼風真世がいた、その中で時間はかかったけど最後に武道館でコンサートをするまでの歴史的な男役トップスターになった。
- 1981年:入団 初舞台『宝塚春の踊り』『ファーストラブ』
- 1986年:「グッバイ・ペパーミントナイト!」
トップへの階段を駆け上がったきっかけとして、安寿ミラさんとのバディ共演があげられます。その代表作が、「グッバイ・ペパーミントナイト!」宝塚といえば男役トップスターと娘役トップが織りなす恋愛ドラマがメインでしたが、宝塚史上初となる男役同士でのバディがメインの物語。
真矢さんと安寿さんのW主演は、ヤンミキ(安寿と真矢の愛称)と称され、かつてないほど高い人気を博しました。2人は1期違いの関係でありながら、ライバルとして切磋琢磨しあいお互いを高めあったと言えるでしょう。
1995年1月17日に阪神淡路大震災が発生、宝塚大劇場はスプリンクラーが作動し水浸しになったと聞いています。震災から半年後となる1995年6月「エデンの東 / ダンディズム!」で花組のトップスターに就任。エデンの東はジェームス・ディーンが主役で有名な映画です。
男役トップスターといえば好青年や王子様のような正統派二枚目の役が当たり前で今まで一番多かったのですが、真矢みきさんは三枚目や青春思春期の屈折した青年、最終的にはコミカルな犯罪者まで多様に演じています。
真矢みきさんの退団公演を観たとき、客席の熱気が今までにないほど高まっていたのを覚えています。大階段に長髪をなびかせて座る姿は、まるで映画のワンシーンのようで、思わず息を呑みました。終演後、ロビーで「真矢さんのマック・ザ・ナイフは一生忘れられない」と語り合うファンの輪に加わり、感動を分かち合ったのも忘れられない思い出です。
退団後も『踊る大捜査線』やTV番組のコメンテーター等、活躍中です。
2014年:宝塚100周年 21世紀を彩ったスターたち
早霧せいなさん|革新の旗手
2014-2017年雪組トップ。漫画原作作品への挑戦で新世代ファンを獲得。
- 2001年:4月『ベルサイユのばら 2001』で初舞台
- 2011年:4月『ニジンスキー』バウホール公演単独初主演
- 2014年:10月 雪組トップスター就任『伯爵令嬢』日生お披露目公演
- 2015年:1月 宝塚大劇場お披露目公演 『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―/ファンシー・ガイ!』
- 2016年:2月『るろうに剣心』:完璧なビジュアルと殺陣のリアリティ追求
- 2017年:『幕末太陽傳』にて退団

漫画作品の『伯爵令嬢』『ルパン三世』『るろうに剣心』からわかるように、本当に綺麗な容姿で漫画のイメージを崩さずに、更に魅力アップする作品にする早霧さん『るろうに剣心』剣心が本当に漫画から飛び出してきたようなイメージで雪組全体のビジュアル再現の完成度の高さには本当に驚き目から鱗でした(筆者体験談)
明日海りおさん|新時代の宝塚歌劇象徴的存在
2014-2019年花組トップ。漫画原作作品への挑戦で新世代ファンを獲得。
- 2003年:月組公演『花の宝塚風土記』で初舞台
- 2012年:月組準トップスター『ロミオとジュリエット』龍真咲さんとの役替わり、ロミオとティボルトを演じている
- 2014年:花組『エリザベートー愛と死の輪舞』トップスターに就任
- 2019年:『恋スルARENA』横浜アリーナ 宝塚歌劇として初のコンサート
- 2019年:『A Fairy Taleー青い薔薇の精』にて退団
容姿端麗綺麗で可愛くて色気もある上に、気持ちの伝わってくる芝居心も備わっている。
宝塚歌劇100周年記念『ベルサイユのばら』では、龍真咲さんとの役替わり、オスカルとアンドレを演じている。他にも『ME AND MY GIRL』『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』『ロミオとジュリエット』宝塚を代表する演目全てに主演。『ポーの一族』での柚香光さんとの二人の並びは本当にこの世のものと言えない程の魔性の美で、まさに永遠の時を生きる“バンパネラ”そのものでした。
退団後の数多くの舞台やTVドラマでも活躍中です。
未来を担う新世代スター
2025年 宝塚歌劇111周年トップスター
宝塚歌劇公式チャンネル タカラヅカ・スカイ・ステージ「2025年スター新春メッセージ」では5組トップスターが2025年を漢字一文字で表し、抱負や意気込みを語っていました。
- 花組 永久輝せあ 「繋」
- 月組 鳳月杏 「飛」
- 雪組 朝美絢 「尊」
- 星組 礼真琴 「礼」
- 宙組 芹香斗亜 「愛」→2025年 宙組 桜木みなと
宝塚歌劇のオフィシャルショップのキャトルレーブではアニバーサリーイヤーに相応しい様々なスペシャルアイテムが販売されています。宝塚歌劇111周年One and only きらめきの、その先へー。
トップスターが教える人生訓
名言集
「羽根の重さは責任の重さ」-天海祐希さん(1993年就任時)
「失敗こそ最高の教科書」-早霧せいなさん(2015年インタビュー)
ファン心理・支持理由の独自化
支持理由ランキング
順位 | 要素 | 具体例 |
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1 | 人間的魅力 | 稽古場での後輩指導風景 |
2 | 芸術的革新性 | 伝統歌舞伎との融合公演 |
3 | 社会貢献 | チャリティー活動参加度 |
体験談

私の宝塚仲間の一人は、真風涼帆さんのサイン入り色紙を大切にしています。「あなたの人生の主役はあなたです」という言葉に背中を押され、受験や就職活動の不安な時期も前向きに乗り越えられたそうです。宝塚のトップスターは、舞台の上だけでなく、ファン一人ひとりの人生にも寄り添ってくれる存在だと改めて感じました。(50代女性)
劇場の扉を開けるたび、私は新しい自分に出会える気がします。トップスターさんの努力や輝きに触れることで、日常の小さな悩みも前向きに乗り越えられるようになりました。これからも宝塚の舞台と、そこに立つスターたちの物語を、ファンとして見守り続けたいと思います。
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